自己流コーティングは意味がない!?愛車の美しさを保つ秘訣

カーケアの主役はワックスからコーティングへ

Car Cleaning in a Car Wash. High Pressure Car Washing. Taking Care of a Car.
車のオーナーなら誰もが考えること、それは「納車時のボディの美しさをいつまでも維持したい」ということではないでしょうか。カー用品店に、防汚、防キズ、キズ消し、ツヤ出しのための商品が所狭しと並んでいるのがその証拠。毎週末の洗車は欠かさないなんて人も少なくはありません。

1990年代までは、車のボディケアといえばワックスが主流でした。ワックスは、ロウや油脂でできているので、ボディにツヤを出すためには非常に効果的です。また、ロウや油脂の成分がボディを覆う被膜となり、紫外線による色あせや鉄粉・ホコリなどによるキズを防ぐ効果も期待できるため、多くの人に愛用されてきました。

しかし、ワックスには大きな欠点があったのです。ワックスは、主成分がロウ・油脂であるため、熱(エンジンや直射日光)、酸化、紫外線の影響で短期間のうちに劣化してしまい、1ヶ月ほどで効果がなくなってしまうケースがほとんど。その上、ワックスが劣化した状態で放置すると、黒ずみのような汚れに変化したり、塗装そのものにダメージを与えてしまうことも。こまめに洗車・ワックスがけができる人でない限り、かえって塗装の劣化を早めてしまう結果になるのです。

ポリマー・ガラス…撥水性・親水性…コーティングの種類は多種多様

撥水・低撥水比較写真

ポリマー?ガラス系?ガラス?知っておきたいコーティングの種類

ワックスに代わり、カーケアの主役となった「コーティング」ですが、現在、オーナーにとって大きな問題が浮上してきています。それは、「種類が多すぎて何を選んでいいのかわからない」ということです。

自分でできる簡易的なコーティング剤がカー用品店で販売されているほか、高度な技術と独自のコーティング剤が自慢のコーティング専門業者も。さらに、ネットで調べてみると専門的なものから個人の感想・噂レベルのものまで、情報が氾濫していて何を信じていいのかわからないという状況です。そこでまずは、コーティングの種類や特徴を、簡単に整理してみましょう。

コーティングには様々な種類があり、厳密に定義するのは困難なのですが、現在ではコーティング剤の成分・配合によって「ポリマーコーティング」「ガラス系コーティング」「ガラスコーティング」の3つに大別されることが多いようです。それぞれの特徴を見ていきましょう。

■ポリマーコーティング

フッ素樹脂やシリコーン樹脂、レジン樹脂といったポリマーを主成分としたコーティング剤を塗布し、塗装面に密着させることで、ボディに被膜を作るコーティング方法を指すのが一般的です。

メリット デメリット
・薬剤に油を含んでいるので強い光沢が出る
・コーティング費用が安価
・施工が簡単で個人でも行える場合も多い
・劣化が早く固化の持続期間は数ヶ月から半年程度
・被膜が柔らかいため防キズ効果が低い
・他のコーティングに比べて防汚効果が低い

■ガラス系コーティング

「ガラスコーティング剤に他の成分を配合したもの」「樹脂系ポリマーにガラス繊維を混ぜたもの」をコーティング剤として使用する場合は、ガラス系コーティングと呼ばれるのが一般的です。使用されるコーティング剤によって、効果・特性がまちまちなので注意が必要です。

メリット デメリット
・樹脂の特性も持ち合わせている場合は美しい光沢が出る
・被膜が硬いため、防キズ効果が期待できる
・被膜が硬いため、防汚効果が期待できる
・1年~3年程度は効果が持続する
・コーティング剤の品質に大きな差があり、見極めが難しい
・ポリマーコーティングよりも高価
・コーティング剤によっては個人で施工することが困難

■ガラスコーティング

コーティング施工後、被膜が完全にガラス化(二酸化ケイ素)に転化するものを指すのが一般的です。

メリット デメリット
・被膜が非常に硬く、防キズ効果が高い
・被膜が非常に硬く、防汚効果が高い
・3年以上は効果が持続する
・施工に高度な技術が必要
・被膜が非常に硬いため、やり直しが困難
・コーティング費用が高価

撥水性?親水性?コーティングによって水のはじき方が異なる

コーティング選びにおいて次にポイントとなるのが、水のはじき方です。一般的には「撥水性」「親水性」に2分されるのですが、製品やサービスをアピールするために様々なキャッチコピーが濫用されているので、基本的な言葉の意味から整理してみましょう。

水と物質との関係性を科学的に表現する用語に「疎水性」「親水性」というものがあります。疎水性は水に溶けづらい、あるいは混ざりにくい性質を表す言葉。つまり、「水をはじく=撥水性」があるということです。コーティングにおいては「疎水性=撥水性」と考えてもいいでしょう。一方、親水性を持つ物質は水に溶けやすい、あるいは混ざりやすいことを表す言葉です。

では、撥水性のコーティングと親水性のコーティングにはどのような差があるのでしょうか、下の写真を見れば一目瞭然です。車のボンネット素材の左側に親水性のコーティングを。右側には撥水性のコーティングを施工しています。左側の親水性コーティングのほうは水が平面的に付着しており、右側の撥水性コーティングでは水が水玉上に浮いているのがわかるでしょう。

水滴-バック-01

撥水性コーティングの大きなメリットは、写真のように水をはじく様子が見た目でよくわかること。この気持ちよさは何物にも代えがたいという人は少なくありません。ただし、水玉状に水をはじくことによるデメリットも存在しています。ボディに白い斑点上のシミを付けてしまう「イオンデポジット」や「ウォータースポット」が発生しやすいとされているのです。

では、塗装保護の観点において親水性のほうが優れているかというと、そうとも言い切れないのが難しいところ。確かに親水性コーティングであれば、イオンデポジットやウォータースポットが発生する可能性はほぼありません。しかし、理想的な親水性の状態を維持することは非常に困難で、こまめな洗車を怠ると徐々に撥水性へと変化してしまうのです。

「ディーラーに相談」が最適なコーティングを選ぶ方法

ここまで、様々なコーティングの種類や特性について解説してきました。しかし一体、あなたの愛車にピッタリのコーティングとはどのようなものなのでしょうか?「自分ならこれだ」と決められた人は少ないのでは?実はそれが当然なのです。一般論や性能だけで最適なコーティングを選べるものではありません。

例えば、黒などの濃色車は、紫外線による劣化が早く、キズやイオンデポジットも目立ちます。もし、美観を徹底的に維持したいなら、多少高価でも親水性のガラスコーティングを選んだほうがいいかもしれません。しかし、前述したように、洗車をこまめに行えない人には、親水性コーティングは無用の長物といえます。また、紫外線やイオンデポジットに対する耐性が強い塗料を採用している車種もあり、ポリマーコーティングで十分というケースも。

愛車に最適なコーティングを施工したいなら、まずはディーラーに相談するのが一番の近道です。ディーラーはあなたの愛車の専門家。使用されている塗料の特性を熟知しているのはもちろん、あなたのカーライフに関しても丁寧に相談に乗ったうえで、適切なコーティングを提案してくれます。愛車の美しさを長く維持したいなら、まずはディーラーに相談してみましょう。

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